溶接機 使用率

溶接機の出力を上げると、最初はしばらく使えるけど急に使えなくなることはありませんか?
これは不具合では無く、溶接機の使用率が関係しています。
溶接機は多くの電力を消費し、モーターに負担がかかる工具です。
そこで適切な負担で使用できるように、使用率というものが設定されています。
使用率とは溶接機が熱を持ちすぎないように、使用できる時間と出来ない時間を設定する機能のようなものです。
この記事では使用率に関する解説と使用率の計算方法を解説しています。

今回は

【アストロプロダクツ】AP 直流半自動溶接機

こちらの商品を例に説明していきます。

使用率とは

使用率とは、10分間のうち溶接機の使用可能時間を%で表した物です。
厚みの低いものは出力が要らないので、使用可能時間が長く、厚みの厚いものを溶接する際は高い出力が必要な為、使用可能時間が短い傾向です。
溶接する際は溶接物の厚みを測って、出力を設定することが大切と言えます。

使用率の計算方法(計算式)と考え方

使用率の計算方法は
600秒(10分)×使用率=使用可能時間(秒)で計算すると分かりやすいです。
例えば、使用率が25%であれば、600秒×0.25(25/100)=150秒となります。
10%で1分、5%で30秒 1%で6秒である事を覚えていれば、大体の時間をすぐに算出することができます。

例:アストロプロダクツの溶接機の使用率

アストロプロダクツの溶接機を見てみましょう。

【アストロプロダクツ】AP 直流半自動溶接機

この商品の使用率は、

MIN/1 使用率 100% 板厚 0.8~1.0mm
MIN/2 使用率 60% 板厚 1.0~2.6mm
MAX/1 使用率 28% 板厚 2.6~3.0mm
MAX/2 使用率 15% 板厚 3.0~4.0mm

となっています。

溶接物の厚みが0.8~1.0mmであれば、MIN/1に設定して10分ずっと使えますよ。
600×1(100/100)=600秒

溶接物の厚みが1.0~2.6mmであれば、MIN/2に設定して10分中6分使用できて4分は休憩時間ですよ。
600×0.6(60/100)=360秒

溶接物の厚みが2.6~3.0mmであれば、MAX/1に設定して10分中2分48秒使用できて7分12秒は休憩時間ですよ。
600×0.28(28/100)=168秒

溶接物の厚みが3.0~4.0mmであれば、MAX/2に設定して10分中1分30秒使用できて8分30秒は休憩時間ですよ。
600×0.15(15/100)=90秒

ということになります。
使用率と厚みは溶接機によって変わるので、説明書で使用率と厚みを確認しましょう!

すぐ使えなくなる場合は使用率を下げてみよう

上で解説した通り、出力が上がると使える時間はかなり短くなってしまいます。
厚みの薄いものを使うときは出力を下げることで使える時間が長くなります。

まとめ

溶接機は使用率によって使え時間が大きく変わります。
常に出力MAXで使っていると、クールタイムが長く、作業が滞りがちになります。
板厚を考えて適切な出力を選ぶことが大切になります。

使用率は10分のうちの稼働時間をパーセントで表しています。
600秒(10分)×使用率=使用可能時間(秒)
で稼働時間を算出できます。

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