工具の代名詞とも言えるプラスドライバー。
プラスドライバーを使ったことのない人は少ないのではないでしょうか。
ですが、意外と正しい使い方を出来ている人は少なかったりします。
このページではプラスドライバーの正しい使い方・選び方を解説していきます。
正しい使い方を知ることでねじの頭を潰してしまう(なめる)リスクを減らすことが出来ます。
正しいサイズ、正しい使い方について解説していきます。
プラスドライバーの種類
プラスドライバーは5種類存在します。
PH00.PH0.PH1.PH2.PH3の5種類です。
PH2が最も主流なサイズす。「プラスドライバー」と言われて1番最初に思い浮かべるサイズだと思います。
他のサイズに比べても圧倒的に使用頻度が高いです。
しかし、適切なサイズを選んでいない場合、ネジに対してドライバーの先端が正しくフィットしません。
画像引用元:DIYラボ
上の画像は3番のドライバー、下の画像は2番のドライバーを使っています。
下の画像だとネジに対してドライバーがフィットしていないのが分かります。
フィットしていないまま無理にネジを回すことでねじの頭が削れてしまい、大事になってしまいます。
ネジを回す際は、軽く対象物に当ててみて正しいサイズを選ぶように心がけましょう。
貫通ドライバー・非貫通ドライバー
さて、ドライバーには貫通ドライバー・非貫通ドライバーという区分が存在します。
ドライバーのシャフトの部分がグリップの1番後ろまで貫通していれば貫通ドライバー、貫通していなければ非貫通ドライバー、そのままですね。
画像引用元:KTC
では、ドライバーを選ぶ際はどちらを選べばいいのでしょうか。
貫通ドライバーの特徴(メリット)
これはグリップエンドをハンマー等で叩ける!という点につきます。
シャフトがグリップエンドまで通じているということは、叩いた衝撃がそのまま軸先に伝わるということです。
叩くことによって固着してしまったネジなどに衝撃を伝えて外すことが出来たり、
なめかけている(頭が潰れかけている)ネジにドライバーを食い込ませて回すことが出来たりします!
貫通ドライバーの特徴(デメリット)
貫通ドライバーのデメリットは2つあります。
1つはシャフトが長くなることにより金属の比重が増え、重くなる点です。
これは整備士などプロの方でなければ気にならないかもしれませんが、工具の重さを言うのは非常に重要です。
重くなることで連続した作業が出来なくなったり、作業の精度が落ちてしまうことが考えられます。
もう1つは叩くことにより、先端の摩耗が速いという点があげられます。
ドライバーは消耗品です。(あまり知られていませんが)
先端・ネジどちらも金属なワケですから使い続けていると摩耗して精度が悪くなっていきます。
そんな消耗品を叩き、ハードに使うわけですから当然消耗も早くなりますよね。
非貫通ドライバーの特徴(メリット)
非貫通ドライバーの1番のメリットは貫通ドライバーに比べて軽いという点です。
軽いドライバーは腕の負担が少ないため連続した作業に向いています。
また、叩かないため貫通ドライバーに比べ、先端の摩耗が遅く工具寿命が長い傾向にあります。
非貫通ドライバーの特徴(デメリット)
デメリットは叩けないという点ですね。
正確に言うと叩けない事はないのですが、グリップの破損に繋がったり力のロスが大きいので叩くのには向いていません。
固着しているネジ等を緩める機会があるのであれば貫通ドライバーを持っておくほうがいいでしょう。
先端
プラスドライバーの先端には様々な加工がされているものがあります。
磁気化・ジョーズフィット・ダイヤモンド粒子入り・レーザーチップ加工などがあげられます。
磁気化
磁気化されているメリットはネジを落とさない点ですね。
緩めた際や、ネジを締める際にネジを落としてしまった経験はありませんか?
家具の組み立て等たくさんネジを締める場合は磁気化されたドライバーを使うことをおすすめします。
ちなみに、国産のドライバーメーカーは磁気化したドライバーを製造していますが、海外(特に欧州)ではあまりメジャーではありません。
欧州のドライバーは先端の精度が高く、磁気化しなくてもネジが食いつくから必要ないという考えのようです。
ジョーズフィット(JAWS FIT)
ジョーズフィットは日本のドライバーメーカー【ベッセル(VESSEL)】のドライバー先端の名称です。
画像引用元:VESSEL
先端が段々になっており、ネジにしっかりと食い込むように作られています。
昔のジョーズフィットは粒子のようなものが埋め込まれている物でしたが、
少し前にNEW JAWS FITとしてこの段々作りに変更されました。
ベッセルは日本のドライバーメーカーですので、JAWS FIT + 磁気化されているドライバーなどもありますよ。
ネジをたくさん使う作業をされる方にお勧めです。
ダイヤモンド粒子入り
ドイツのWERA社が有名です。
画像引用元:WERA
その名の通り先端にダイヤモンドの粒子が入っています。
ダイヤモンド粒子の凹凸がしっかりとネジをとらえて離しません。
レーザーチップ加工
こちらも同じくWERA社の先端加工です。
画像引用元:WERA
その名の通り先端にレーザーによる特殊加工が入っています。
レーザー切削によるの凹凸がしっかりとネジをとらえて離しません。
ネジへの食い込みが強すぎて、柔らかい母材だとネジを傷つけてしまう恐れがあります。
正しい使い方
ネジを回す際はまずは正しいサイズを選びましょう。
回す際の注意点として、【押す力:回す力=7:3】というものがあります。
ドライバーの押し回しの法則です。
ネジには十字の溝が切ってあります。
押す力が弱いと、溝からドライバーがはみ出ようとしてしまいます。
この現象をカムアウト現象と呼びます。
カムアウト現象はネジがなめてしまう大きな原因になりますので、注意しましょう。
ネジが固かったり固着しているときは比率をを8:2に変えるなど、カムアウトしないように注意が必要です。
まとめ
まずはドライバーの正しいサイズを知る。
自分の使用用途からドライバーを探す。(貫通or非貫通 磁気化or先端加工)
押し回しの法則【押す力:回す力=7:3】でねじを回す。