プリセット型トルクレンチは緩め方向に使うと壊れる?正しい使い方と保管方法

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工具において正しい使い方を知っておくことは欠かせませんね。
間違った使い方をすると工具の寿命を縮めるだけはなく、事故や怪我にも繋がる恐れがあります。

前回、アストロのトルクレンチをオススメしたので今回はトルクレンチの正しい使い方を保管方法を紹介します。

プリセット型トルクレンチも例外ではなく正しい使い方、保管方法を知る事が大切です。

トルクレンチのポイント
・「カチッ」となったら規定トルクに達している
・緩め方向では使ってはいけない
・保管時は最低トルクに設定する
・高温多湿を避けて保管する

それぞれの項目に関して詳しく触れていきます。

正しい使い方

プリセット型トルクレンチのほとんどが主メモリと副メモリでトルクを設定して使うタイプだと思います。
プリセット型トルクレンチは規定トルクに達すると「カチッ」という音と軽いショックでトルクに達した事を伝達してくれます。
スプリングの張力でトルク管理をしているので、構造上測定範囲の最低値付近は音が聞こえにくいので、慎重に締めてショックを感じとるようにしましょう。

「カチッ」となったら規定トルクに達している

よく、「カチッ」となったり、軽いショックで規定トルクに達した後に更に少しだけ締め込む人を見かけますがコチラに関してはやる必要は全くありません。
むしろやらないほうがいいです。
考えてみて欲しいのですが、音とショックで規定トルクに達しているのに増し締めする理由なんてありませんよね?
「トルクレンチの精度が±4%だからマイナス側に振れているかもしれない」と思う人もいるかもしれません。
しかしプラス側に振れている可能性もありますよね?
そこで増し締めしてしまうとむしろねじ山への負担が大きくなるかもしれません。
正しいトルク管理を行うためにトルクレンチを使っているわけですから、その努力無に帰すようなことは行わないようにしましょう。

緩め方向(逆方向)での使用は厳禁

トルクレンチは緩め方向で使う事は想定されていません。
正しい使い方でも書きましたが、トルクレンチはバネの張力でトルクの管理を行っています。
緩め方向で使用する事でバネのトルクが狂いやすくなってしまいます。
トルクレンチの寿命を著しく下げてしまうことになるので絶対に使わないようにしましょう。

何故切替レバーがついているのか

「じゃあなんの為の切替レバーだよ!」そう思いませんか?
もちろんちゃんとした理由が存在します。

生産コストを下げる為?寿命を短くして儲けるため?違います。
緊急事態の時に対応できるようにする為です。

例えば、出先でパンクしてをスペアタイヤと交換しないといけないケースに遭遇した時に、ホイールナットを緩める工具がなくトルクレンチだけたまたま積んであった場合、トルクレンチを使う事でタイヤ交換を行う事ができますよね。

トルクレンチの切替レバー、緩め方向はこういった非常事態対応で作られているものなのです。



正しい保管方法

最後にトルクレンチの正しい保管方法について紹介します。

トルクレンチの保管時に注意して欲しい点は
・高温多湿を避けて保管する
・トルクを最低値に設定する
この2点になります。

高温多湿を避けて保管する

これは測定工具屋や精密機械に共通して言える事ですね。
サビや、バネの張力寿命に関わるので高温多湿は避けるようにしましょう。

トルクを最低値に設定する

意外と忘れられがちなのが、コチラです。
何度も言っていますが、プリセット型トルクレンチはバネでトルクを管理しています。
故に、普段はバネの張力を変えないことが大切になってきます。

小さいバネを引っ張ってみたり、縮めたりした経験は誰しもあると思います。
強く引っ張ると伸びて元に戻らなくなり、縮め続けても元の長さに戻らなかったりしたと思います。
トルクレンチのバネは引っ張る事はありませんが、縮めた張力でトルクを測っています。
これを保管時にずっと縮め続けていたらどうなるでしょうか?
そう、張力が変わってしまうので、精度の狂いにつながってしまうのです。

最低値に設定する事でバネの張力への影響を限りなく減らす事が大切なのですね。



まとめ

せっかく購入したトルクレンチ。
正しい使い方・保管方法を知る事で工具の寿命は大きく変わります。
トルクレンチを使う際はぜひ実践してみてください。

ポイント
・「カチッ」となったら規定トルクに達している
・最低値付近を測る際は音が聞こえにくいので注意
・緩め方向(逆方向)での使用は厳禁
・切替レバーは緊急事態用で付いている
・保管時は高温多湿を避ける
・保管時はトルクを最低値に設定する
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